ウォーキングデッドシーズン2を見た

これでもか!という程のアメリカの「父性」を巡る物語。前のシーズンでリックが保安官の身なりで馬に乗ってアトランタを訪れるシーンがあったが、それを「開拓」のモチーフとすると、今シーズンは共同体を作り上げ、その内部での政治を問われるという筋だった。終盤共同体の父としての座をシェーンと争うことになるのだが、息子のカールに保安官の帽子を渡し、銃を握らせたリックが敗れるはずもなかった。
また父を巡る話でいえば、ハーシェルの「この国は我々移民が作った」(彼はアイルランド系)というセリフを韓国系のグレンに投げかけ、それを継承させるシーン。シーズン2がそのハーシェルからリックが共同体を奪った話なら、次のシーズンの鍵は間違いなくグレンだろう。
また噛まれてもいない人間がゾンビになってしまうこと。それまでゾンビを共同体の外的脅威として描いてきたのが、一変して自分たちの内部にその脅威への変動可能性を担ってしまうというのはまた次を楽しみにさせる展開だと思う。
全体的に類型的というか寓意があざとい気もしたが、かなり楽しめました。